ホストからの売掛回収依頼で依頼中に時効になってしまった場合(弁護士向け)(司法書士向け)

ホストからの言いがかりは毅然と断ること!

飲食店の時効は客の返済日または客の債務承認の翌日から1年で時効になります。もちろん客が内容証明でホストクラブ(旧債務の発生場所店舗住所またはその運営会社の本店住所)に通知(担当ホストがお店に立替えており担当ホストの自宅住所不明の場合でも勤務先で有効になる・退店してる場合でも有効)時効を援用した時点で時効成立です。

ホストが弁護士に依頼する場合はたいていは時効1カ月前や2週間前などもよくあります。その際にもちろん弁護士がすでに客に対して内容証明郵便で督促してさらに時効を6カ月間延長するということも1回だけは使えます。また訴訟を提起すればすぐに時効が中断しますが、たいてい弁護士は日々の業務に追われて、またどちらかというとホストの腐った債権のようなゴミ事件は後回しにする傾向が強いです。(気持ちは本当によくわかります。)

その場合で時効になってしまった場合でのホストの弁護士に対しての言いがかりは「先生、時効になってしまったので売掛額を弁償してくださいよ」というもの。

私も身内のホストからもよく相談されます。「弁護士が動いてくれなかったから時効になってしまったのでこれは弁護士の怠慢行為や過失だから弁償してもらってもよいですよね?」と。

この場合はもちろん、弁護士も毅然とした対応で拒否してよいです。

着手金だけを返せと言ってくるホストもいますが、こちらも拒否でよいです。

着手金0円で受けている弁護士であれば尚更拒否でよいです。

時効になったから、その損害金の全額補償サービスという保険システムをしていることろは弁護士業界にはないです。

そもそもこのホスト業界での債権の質がとても悪い案件での回収率は債権回収の経験豊富な弁護士や司法書士がしても10%未満のことであり、最悪は1円も回収できないことがある売掛案件で、裁判して債務名義を取っても訴額通りに回収できる見込みは極めて低いです。仮に裁判で客や客代理人が出廷しても大幅な減額での裁判上の和解で500万円の売掛が、20万円になってしまうこともよくあります。客も裁判中は自己破産かまたはその予納金20万円を解決金に充てて和解するかなどを考えます。そのように客代理人も客にアドバイスするからです。

裁判の7割以上は裁判上の和解です。

大幅な減額はよくあります。

さらに時効まで依頼人のホスト自身は何をしていたのかということになります。依頼をキャンセルし(解任)することもできましたし、他の選択肢もあったわけであり過失について、いくら高度な法知識や高い倫理観を持っている弁護士としても弁護士が100%の過失というのは完全な暴論です。またはそもそも任意交渉のみを依頼人のホストが弁護士にお願いしていたケースもありました。そのホストは裁判が時間とさらに費用がかかるために面倒に感じて、弁護士に対して「できれば、弁護士からの電話督促などで、裁判せずに解決したいです。」と要望を言っている場合です。その場合でも弁護士は専門家としてそのホストに時効の延長や中断についてきちんとアドバイスをすべきでは?と思われるかもですがその話をしてもその重要性をホストは理解せず、単に「裁判して勝ったら必ず回収できますか?負ける喧嘩はしたくないので!」と裁判に否定的なホストもたくさんおり、いざ時効になると今後はその客に対する恨みが今度は依頼していた弁護士にくることがよくあります。しまいにはホストは「悪徳弁護士だ、懲戒請求してやる」となります。

弁護士の時効前の実働タスクについてホストは理解できない人が多いです。

ご存知と思いますが回収見込みについて深堀します。

まず、客が時効を援用としている場合としてない場合で分かれます。

客が時効を援用している場合では、もう終了ですが、もし援用していないのであれば、欠席裁判や公示送達を期待して訴訟を提起することができます。または上記の賭け的な裁判が怖い場合には自宅に訪問して、客に1,000円でも支払いしてもらうや和解書を書いてもらう時点(債務の承認)で時効ではなくなります。

これを「債務の承認工作」と言います。

たまにホストクラブ店舗が倒産して伝票等の証拠が全くないという場合もありますのでこの場合は公示送達以外でしたら、支払督促制度が有効な方法です。

一般の方がこれを見たら、これを弁護士がやるのは倫理的にどうなのかと思わるかもしれませんが、弁護士には「法の権利の上に眠るものは保護に値せず」という考えがあります。権利を行使しないものを国は救済しないという考えです。悪く言うと、「バカは知らないよ」啓発的に説明すると「無知は罪」であり「無知は損」であるという意味です。

・弁護士の場合は時効を援用されたら権利の有効期限切れになります。

・客の場合は、時効を援用すればいいのにしなかった。さらに一部支払いまたは書面を記入し債務の承認までしてしまった時です。

事前の対処法
委任契約時に書面で明確に、時効になっても責任をとれない旨を、きちんと記載しておくことです。またホスト業界の債権の質の悪さもきちんと伝えてリスクをわからせることです。ホストに期待させても何の生産性もなくトラブルになるだけです。あまりにも「回収率は何%ですか?」とか聞いてくるような人間や弁護士を信用できないと言ってくるホストは、はじめから依頼を断るべきです。

また可能であれば、依頼時のホストとの録音もあればなおよいです。

水商売歴10年以上の私が言うのも気が引けますが、水商売をしている人は自己中心的で論理的に考えられない人が多いです。特に若い子達です。浅はかでなんでも都合のいいように解釈してしまいますのでお気を付けください。

水商売・自営業者・タクシー運転手・土建屋、この辺は感覚的にテキトーな人が多い気がします。

ホストやキャバクラなどの水商売関係に言いがかりをされている弁護士や司法書士の方はお気軽にご相談ください。守秘義務は厳守します。